一般書 2007/10/28更新 作者名が五十音順に並んでいます。
  タイトル 作者 コメント
  TREE ツリー C・W・ニコル 宮崎駿が挿絵を描いたので、ご存じの方も多いかも。樹木の素晴らしさ。ケルトの古い言い伝えは美しい。
  ダンス・ウィズ・ウルウ゛ズ M・ブレイク 西部劇かしら?と最初は思いました。映画を知る前に読んだので、ケビン・コスナーの顔に邪魔されずに読めました。野生の狼とインディアンたちがだぶります。
  異次元を覗く家 W・H・ホジスン 原著は、およそ百年も昔の作品。邦訳された本に出会ったのは、早川書房で出版された当時(約三十年前)。表紙は楢喜八さん制作によるもので、申し訳ないが私はこの方の絵を毛嫌いしていた。気味が悪かったのだ。ただ、現在流通している新しい表紙と挿絵は似合わない、これではきれいすぎる。頭の中に形作られる原始的な恐怖のイメージを、存分に楽しんで欲しい。邦訳は若き日の荒俣宏さん。
  こちら本の探偵です 赤木 かん子 こんな仕事をしてみたかった!仕事になるならば、ね。記憶の片隅に残る本を、探してほしいというのは、誰でも思ったことあるでしょう。赤木さんには影響強く受けました。同人誌「烏賊」持ってます。
  女の本がいっぱい 尼川 洋子 女に関しての様々の本を取り上げています。検索用として重宝しました。
  良いおっぱい 悪いおっぱい 伊藤 比呂美 題名を見て、5歳の子が読みたがりましたが、ちょっとまだ早いよ。子供を産む前に読みました。気が楽〜になり、勇気もわいてきます。
「自分の木」の下で 大江 健三郎 名前だけは、幼い頃に従姉の本棚にあった「芽むしり仔撃ち」の強烈な題名と共に覚えていました。朝日新聞に掲載されているエッセイを時折読むようになり、本屋で偶然手に取ったのが、これです。初めて読む本が子供に向けて書かれた本だったというのも、昔からのえにしを感じます。
  小沢昭一的こころ 小沢 昭一 有名な長寿ラジオ番組から出た本です。子供のころ、よく聞いてました。おじさん応援団。おじさんって今は毛嫌いされてるけど、そこはかとなく、悲しくおかしいのよ。
  止まらない汽車 加藤 登紀子 大好きな加藤さんが書かれるものを読みたくて買いました。ドラマティックな、熱い人生を選んだのですね。
  他人のままで きたやま おさむ 変わった色合いの本です。精神科医の北山さんが書きました。
  姑獲鳥の夏 京極 夏彦 冒頭延々と繰り広げられる京極堂の説に、わかったようなわからなかったような不思議な感覚が残ったまま読み進めると、物語は始まる。傍観者が実は重要人物であったり、いつしか眩暈を覚えてずるずる引っ張られる感覚。それが結構気持ち良いのだ。
  魍魎の匣 京極 夏彦 上記に続く「京極堂シリーズ」第二編。前回登場した関口の変わった友人達が、色味を増して書き込まれている。読後、「普通の人」はいない気がしてくる。そして自分の闇を覗いてしまう。謎解きは、途中で予想がついたのでさほど驚きはなかったが、「押し絵と旅する男」の辻村さんの人形を思い出した。
  嗤う伊右衛門 京極 夏彦 怪談話が大嫌いなはずなのに(怖いから)手に取ったのは、ひとえに入院中の所在なさから。夜の病棟、小さな電球の下で繰り広げられる物語は、美しさと闇とが入り交じって見えた。岩と伊右衛門が最後に結ばれた姿は、切なかった。闇を身のうちに持つ喜兵衛等、脇役の描写も際だっている。
  金 芝河 作品集 金 芝河 なぜ、こういう本が突然出てくるか。まだ若いころですねえ。韓国の抵抗詩人。血が沸き立つような気がしました。
  サイゴンから来た妻と娘 近藤 紘一 ジャーナリストである近藤さんはサイゴンでベトナム人女性と結婚します。幾度かの戦争をくぐり抜けてきた彼女は強い。
  父母の教え給いし歌 佐藤 愛子 私たちの両親の世代。
  −丹兵衛浮草日記−
溝口彦四郎の災難
白川 滉 借金を踏み倒して脱藩した彦四郎は、やっかいな頼み事をされる羽目になる。どうにも困って知恵を借りたのは「わくの旦那」こと、丹兵衛だった。降りかかった災難から抜け出す謎解きが面白いし、丹兵衛と、ある日拾ってしまった千津という幸薄げな女性との顛末に胸が痛む。短すぎる、もっと読みたいと思える小説です。
  シートン動物記 シートン 動物好きな子供なら、一度は読んだでしょう。人間に置き換えてみるこのような書き方に、異論もありますが一つの見方ではあります。
  宇宙からの帰還 立花 隆 アポロ宇宙船の乗組員たちが、宇宙でどんな体験をし、帰ってきてからどうなったのか。宇宙体験という未知の部分を描きます。宣教師になった人、議員に立候補した人、精神的に病になった人。
  ターシャ・テューダーの世界 ターシャ
・テューダー
古風なドレスを着て、絵を描き、ヤギを飼いバターを作る、自給自足の生活。その庭に咲き乱れる花々。それを見て憧れるだけではなく、彼女が「食べるために、子育てのために、好きな物を手に入れるために」あきらめずに職業画家として働いてきた日々を思う。その顔は、時を経て皺さえもいとしく見える。
  わが赴くは蒼き大地 田中 光二 SF。海に潜ったことはまだありませんが、これを読むと、青い海の奥深くを巨大なタイタンと共に、青く染まりながら泳いでいるようです。シロナガスクジラのおじいさんと話がしてみたいですねえ。
  川柳でんでん太鼓 田辺 聖子 この本で、初めて川柳のおもしろさを知りました。俳句とは違う、自由に描ける世界。色っぽかったり、怖かったり、笑ったり。
  カモカのおっちゃんシリーズ 田辺 聖子 田辺さんの本の中でも、一番好き。大人とはこういうもんだ、カモカのおっちゃんとおせいさんのおしゃべりは続きます。出てくるお酒のつまみが、また美味しそうで!
  七瀬ふたたび 筒井 康隆 SF。筒井さんのエキセントリックな後味の本もいいが、超能力者七瀬を巡るこの話も好きです。
  つるべ新野の
ぬかるみの世界1.2
笑福亭鶴瓶
・新野新
昭和53年4月9日から始まった大阪朝日放送のラジオ番組の本。日曜深夜という放送にもかかわらず、全国的に(放送は大阪のみ。リスナーは微調整しながら聞いた。)ファンを増やし、このような本まで出ることになった。ほとんど、男のおばん二人のおしゃべりだけの番組。故にこの本もおしゃべりの再録が多く、当時の様子がよく感じられる。
  おもろうて、やがて哀しきポペコかな 笑福亭鶴瓶
・新野新
この題名、昼日中によう言いませんわ!上記と同じく、「ぬかるみの世界」の本。ぬかるみには、鬼畜、ブメコ、レンコンの穴、おみた、チョチョまう、など独特の造語がありました。ぬかる民には、ぴったりとくる表現だったのです。
  ぬかるみの世界
保存版
大阪新聞社 編 上記と同じ「ぬかるみの世界」に関連する本。これのみ、足かけ12年間の放送終了後に作られた。大阪新聞の「ぬかるみ新聞」というコーナーを再編成したものです。「ぬかるみ架空放送」のページなどが秀逸です。
  遙かなるセントラル・パーク トム・マクナブ アメリカ大陸を横断する超過酷なマラソンレース。マラソンと聞いただけで怖じけをふるう私ですが、この話は面白かった。いったい何人が、セントラルパークにたどり着けるのか。
  ハラスのいた日々 中野 孝次 映画化もされましたね。見ていないんですが。犬を飼ったことがあるともっと身にしみて、ハラスがいなくなったところなど泣けて仕方がないでしょうね。
家守椅譚 梨木 香歩 ある友人に「あなたはきっと気に入ると思う」と勧められていた作家。数年経った今年の10月、本屋で目に飛び込んできて衝動的に購入しました。あちらとこちらの境もぼんやりとした百年前の日本で亡き友人の「家を守る」こととなった男と、そこを訪れる河童やら人魚や小鬼たちとのおかしな交流の話。どこかとぼけた味わいがあり、娘に読んで聞かせたら大笑いしていました。
  ラブ・ゼネレーション 早川 義夫 小学4年の時、ラジオから流れてきた「空っぽの世界」を聞きました。歌っていたのは、「ジャックス」の早川さんでした。その歌詞と、歌声は今でも耳に残っています。
  ぼくは本屋のおやじさん 早川 義夫 早川さんは、歌をやめて本屋さんになりました。猫と店番をするようなおやじさんになりたかったのに、なんだかまた、こだわっちゃったみたいです。
たましいの場所 早川 義夫 20数年間本屋さんをやっていた彼は50歳を目前にして「無性に歌いたくなって」歌手に戻りました。歌い始めた頃の文章を集めた本です。どれだけ正直な人なんでしょう。いやらしさも汚さも恥ずかしさも、さらけ出しています。また彼の歌が聴きたいなぁ。
  リトル・トリー フォレスト・カーター チェロキー族の祖父母に育てられる少年。呼びかける自然の声、答えるのはスピリット・マインド。
  メメント・モリ 藤原新也 ガンジス河のほとりで、犬にかじられていたり、荼毘に付されていたり「人間はこれほど自由だ」と言う言葉と共に強烈に残りました。色の洪水、暑さまで見えそうです。
  前世療法 ブライアン
・L・ウイス
確か、テレビ番組で知った本です。この話を本当に信じるかどうかは別として、面白いですよ。
  夜と霧 ヴィクトール
・E・フランクル
ナチスの捕虜収容所。どんなに自由を奪われ、身内と引き裂かれても、心の中だけはその人自身の物だから。フランクルさんたちが美しい夕焼けをみんなで分かち合うシーンは、圧巻です。「どうして世界はこんなに美しいのだろう」
そして解放されても自由が実感できない人々の苦しみははじめて知りました。
  ハリスおばさんに花束を ポール・ギャリコ イギリスには、まだこんなお掃除おばさんはいるのでしょうか?ハリスおばさんのシリーズは何冊かあります。
  七つの人形の恋物語 ポール・ギャリコ 純粋な魂をもつ少女と、悪魔のような男。その二人を繋ぐのは、男が操る7人の人形たち。
  北の農民 南の農民 星 寛治
・山下 惣一
ノンフィクションに加えるべきかもしれません。佐賀県の農民、山下 惣一さんの著作で知った本です。
  アメリカン・ビート ボブ・グリーン ボブ・グリーンのエッセイは流行りましたね。わかりやすい文章、短くて涙も笑いもあるラスト。
  ウインターズ・テイル マーク・ヘルプリン この人の他の本も読みたいですね。不思議な言葉、時代を突き抜けていく白馬、凍る海と雲の橋。善悪でない規律。まさしく全体は、冬の物語。
  豆腐屋の四季 松下 竜一 松下さんの初めての本がこれでした。後に、この本のイメージで見られることを避けられたようですが。
  消滅の光輪 眉村 卓 司政官シリーズの一冊。ある星が消滅してしまうまで。ここにでてくる住民達を表した「いいひと」と言う言葉の意味は深いです。精神的に地球人類が進化することはあり得るのでしょうか?
  司政官 眉村 卓 お上の手先となって生きるのか、自分の道を選ぶのか、官僚って損な役回りですね。
  超少女へ 宮迫 千鶴 この方の本は、どれも好きです。育った環境に人は影響を多大に受けるとは思いますが、まっすぐな人柄は魅力的です。「若草物語」のベス、そして萩尾望都の一連の作品について書かれた文に心震えました。
  ママハハ物語 宮迫 千鶴 題名を見て顔をしかめる人がいましたが、母親友達には勧めることにしています。読後にすっきりして元気がわいてきます。
  美しい庭のように老いる 宮迫 千鶴 50代となった宮迫さん。「老い」を受け入れ、「憧れの老女」の姿を追っていきます。「体」から「魂」へ旅をして迎えるのが「老年期」と考えると、力が湧いてくるじゃないですか。
登場するターシャ・テューダー、オルガ、シモーヌ・シニョレ、ボニー・ビー、キャサリン・ヘップバーン、ジョージア・オキーフなど。実在かどうかは問わず、たくさんの老女に会うだけで、「魂」は喜ぶでしょう。
  錦繍 宮本 輝 書簡の形を取った、長く離れていた男女がそれぞれ再生していく物語です。
  忘れんぼのバナナケーキ 森村 桂 人生の幸せを忘れてしまっていたようなかつらさんに
残っていたのは、おいしいケーキを焼くことでした。美しい紫色の筋を忘れてしまったバナナケーキが、かつらさんを軽井沢へと誘い、たくさんの人々へとつなげていきます。この方の昔の本はいっさい読んでいませんが、古本屋でふと手に取ったこの本は良かったです。 
  暮鳥と混沌 吉野 せい 混沌というのは、ご主人のペンネームです。苦しい開拓の道と、もっと苦しい創作の道。ふたつながらに選んだご主人の傍で、ぶつかりながら生きてきたせいさんは、ご主人の死後、ペンを取ることになります。 
  洟をたらした神 吉野 せい 「農家の老母であった人が、こんなすごい文章を書けるなんて」とデビュー当時は言われたようです。幼い我が子に往診を頼むお金もなくて死なせてしまった話など、慟哭が文を作っています。今までこんな文章を読んだことがありませんでした。
  記者の窓から 読売大阪本社編 新聞記者にはこんなことが出来ると教えてくれました。「窓」というコラムから、読者の手紙と記者が作り出す爽やかな風が吹いてきます。シリーズで何冊か出ています。どれも読んで泣いてしまうのですが、黒田清さんがおやめになったので、続きが読めないのが残念です。
  火星年代記 レイ・ブラッドベリ まるで、詩篇のように描かれたSF。「寂しさ」という感情を揺り動かされるような作品です。
児童書
マンガ
ノンフィクション
その他