マンガ 2007/03/01更新 作者名が五十音順に並んでいます
  タイトル 作者 コメント
  OL進化論 秋月 りす あ、わかるわかる、いるいる、の連続。登場する人のかわいさ。
ヨコハマ買い出し紀行 芦奈野 ひとし 主人公の回りを時間が過ぎていく。私たちが感じるより、その速度は速いはずだが、密度は濃い。ほとんど客の来ない喫茶店を訪れたい。そこで彼女の淹れてくれた珈琲をゆっくり飲むだけでいい。
みかん絵日記 安孫子 三和 猫が出てくるマンガらしいというだけで娘のために買った。大当たりだった。しゃべって立って字も書く猫なんて、設定はハチャメチャなんだけど、このあたたかさは何だろう。読んでると泣いてしまう。
  佐武と市捕物控 石森 章太郎 捕り物の内容より、季節感、人の情感の方が気に入ります。
  幻魔大戦 石森 章太郎 原作は、平井和正。姉弟の情の深さ。一人のエスパー少年の成長を描き、香り高い名作。
  漫画家入門 石森 章太郎 私が初めて読んだ、入門書。マンガとしても楽しめました。
百鬼夜行抄 今 市子 幽霊、怪奇現象、全く経験のない私が怖さも楽しんで読めます。
それは尾白、尾黒に寄るところも多いけれど、主人公の律の危なっかしさやかわいらしさ(姿形でなく)に由来するような気がします。
  クッキング・パパ うえやま とち 実践的料理資料としても楽しめますが、生きることがうれしくなるような登場人物も好みです。
  空の色に似ている 内田 善美 少年が親しくなったのは、ちょっと変わった美少女。どこか似ている2人と一人の青年の三角関係はそれぞれの痛みを伴いながら、バランスをとっていた。あのときまで。
  わたしは真悟 楳図 かずお 機械の言葉が聞こえますか?ある日、機械は心を持った。父である少年の言葉を少女に伝えるため。絵は怖いんだけど、きれい。
  神の左手悪魔の右手 楳図 かずお 夢の中と現実とが不気味に交錯していって、不思議なヒーローが現れます。あなたは見る夢をコントロールできますか?未完で終わっているようで、続きが待たれます。
  赤んぼう少女 楳図 かずお 小学生の頃、見たくなかった漫画の代表が、楳図さんのものでした。この年になって、子供の影響で読んでしまいました。恐怖だけの話でなく、実はタマミが母親からも本当には愛されてなかったというラスト近くの描写に、心動かされました。
  蟲師 漆原 友紀 最初読んだ時、やられた!と思った。もしも私が漫画を描くなら、こんな話をと思ってたから。蟲という異界のいきものにまつわる話だが、本来恐怖物に近くなると思うのに、この静けさはなんだろう。蟲を善とか悪で捉えていないところが良い。
  綿の国星 大島 弓子 子猫が主人公といわれていますが、やっと子猫を触れるようになって、[かみさま、有難うございます]と涙を流すお母さんが私は1番好きです。
  美貌の果実 川原 泉 読むと自分もいい人になった気分になる。上等な人間というのは、頭の良さとか、美貌だとか言うのとは、関係ないのよね。
  笑う大天使 川原 泉 3人の猫っかぶりお嬢様たちが、自分らしく生きて自分の居場所を見つけるまで。笑えて、泣けます。
  摩利と新吾 木原 敏江 高校生時代、一番か2番人気のマンガでした。男同士の友情は、恋愛に発展するのか?
  母親の娘たち 樹村 みのり 樹村さんの中では、比較的新しい作品。二人の大人の女性が自分のパンドラの箱を開けてから・・・。もっと掘り下げて欲しかったのですが、ラストにかけて急いで描かれたような感じで、消化不足が残ります。(このことについては、作者あとがきに理由が述べられています。)
  菜の花畑シリーズ 樹村 みのり 内容を覚えていなくても、そこだけがぽっと灯りがともるように、「菜の花畑」は心に残っていました。子供に読ませたくて、本を購入。中に出てくる「なんこなんこいくつ」と言う遊びを、小さい子供に教えたことがあります。
  あざみの花 樹村 みのり 社会派、というジャンルになるかな。無実の罪で投獄された二人。悲しいことですがこれは事実に基づく話です。
  悪い子 樹村 みのり 難しい言葉を使わず、あなたの心の奥をのぞき込ませます。あなたは、本当のことを知っているのでしょうか?
  海辺のカイン 樹村 みのり 少女が心を許したのは、ある女性でした。母との決別と和解、ゆっくりと心は開かれていきますが・・この人が描くとは思わなかったシーン。ラストは、胸が痛みます。自分を傷つけた人を許せないと思う、そこからさらに主人公は、好きだからこそ、相手のことを思いやってしまうのです。
  風呂上がりの夜空に 小林 じんこ 心傷ついた少女の王子様はおしりに・・健全な精神の学生集団に細かく笑えます。「ミドリガメ」も笑った!
  エレファントマン・ライフ 坂田 靖子 特有のほんわかムード、私もアフリカに行きたくなりました。
  天花粉 坂田 靖子 あくせくしない人生もいいです。
  動物のお医者さん 佐々木 倫子 風変わり、ではなく、完全に変人の集団。獣医学教室ってこんな感じ?誤解しそうですね。
  夢見る惑星 佐藤 史生 ある星のある時代、その時代考証がすごい。
  ワン・ゼロ 佐藤 史生 コンピューターと東洋の神々、一見繋がらないふたつが、大きな話を作り出す。色っぽくなっていく主人公(男性)にも着目。
  3×3EYES 高田 裕三 額にもう一つの目を持つ「三只眼」のパイ、不死身になった八雲の物語。人間の将来も巻き込んで、話はふくれていきますが、二人の心のふれあいが美しい。
  碧奇魂 ブルーシード 高田 裕三 テレビアニメの原作です。主人公を守る草薙がかっこいい。残念ながら、マンガの方は未完です。
  きみのカケラ 高橋 しん 「最終兵器彼女」「いいひと」などがある作者。第一回目の掲載を立ち読みして、不覚にもぼろぼろ泣いてしまった。泣くこと以外に感情を表現できぬ「ひとがた」。自らの不幸を嘆かず、冷たく埋もれていく世界のために盲目の弟のために「太陽のカケラ」を探す冒険に出る。
  犬夜叉 高橋 留美子 やっぱり、恋愛には思いっきり不器用な主人公が、彼女の定番なのかな。戦闘シーンのスピード、魅力的な敵役、仲間。たとえ、誰を想っていてもいい、そばにいたい。そして、居場所となり、必要な人になっていくのですね。
  めぞん一刻 高橋 留美子 響子さんは男性のあこがれの的でした。優柔不断な主人公二人に、いらいらさせられます。けれどやがて響子さんの父の反対も、前夫のこともすべて包む大きな愛を育む二人は素晴らしい。桜吹雪の中、お墓の前で誓う五代はなんてかっこいいのだろう。五代のばあちゃん、大好き。大団円では、みんなが幸せになり、新しい命が一刻館を訪れるのです。
  疾風のまつりごと 竹宮 恵子 戦後に現れ、やがて消えていった名も無き神々。日本が貧しく闇と光が鮮明だった時代に、彼らは彷徨う幼い兄妹の姿を借りて現れた。かつて確かに存在した空気を感じる。
  なんじゃもんじゃ博士
ドキドキ編
長 新太 ぜーんぶ見開き2頁の15コマ。「博士とゾウアザラシがやってきました」から始まって、「つづく」で終わる。あんまり奇想天外で大笑いする。こういうの、子供は大好き。
  ジャングル大帝 手塚 治虫 小学生の頃からの、私の座右の書でした。アニメも好きでしたが、やはり、原作にはかないません。月光石を巡っての人間達の欲望、子供が生まれたときのレオの素直な喜び、そして悲劇的で英雄的な自己犠牲に満ちたレオの最後。何度、アフリカの空に浮かぶあの雲を見て泣いたことでしょう。
  火の鳥 黎明編 手塚 治虫 火の鳥は手塚さんの代表作。この中では、どんな時も前向きに生きる、ウズメや、グズリが好きです。
  火の鳥 未来編 手塚 治虫 もしも永遠の命が授かったら、嬉しいですか?その時、命の意味を何に求めますか?
  火の鳥 ヤマト・宇宙編 手塚 治虫 ヤマト編では意味のない殉死を、宇宙編ではミステリー仕立てで、消されることのない罪を描いてあります。宇宙編の最後に流刑星に残る女性が出てきますが、その姿が無償の愛情を表して切ない。
  火の鳥 鳳凰編 手塚 治虫 火の鳥全編の中で、もっとも魅力的な人物、我王。過酷な運命の果てに、自分の仏を見つけた男。
  火の鳥 復活編 手塚 治虫 サイボーグ化して死から復活した孤独な少年。ロボットのチヒロとの愛の証は文字通り一体化することでした。何と言っても、人間よりも人間らしい心を持つロボット、ロビタがいい。
  きりひと讃歌 手塚 治虫 全体は、医師界の告発物。奇病にかかった主人公を支える女性たちが素晴らしい。
  スポーツマン金太郎 寺田 ヒロオ 絵もストーリーも古いけれど、純粋に楽しめるマンガです。
  しあわせ 戸田 誠二 インターネットで発表されている作品ばかりなんですが、本屋で平積みされているのを見て、嬉しくてつい買ってしまいました。短い話が多いのですが(1ページのもあり)妙に残ってしまう作品です。私は「けものみち」が好きでした。
  デビルマン 永井 豪 これが、永井豪の代表作でしょう。不動明、人間の心を持ちながら、悪魔となった男。敵は、次第に悪魔よりも、心を失った人間達になり・・人面獣の話や、ラスト近くのリンチの場面では、言葉を失います。そして、凄絶で荘厳な、ラストシーン。
  ハレンチ学園 永井 豪 小学生の頃、このマンガは、PTAの目の敵でした。でも、第一部のラスト、みんな死んでしまうなんて衝撃的でした。
  オモライくん 永井 豪 ギャグマンガです。哲学です。潔癖性の方には吐き気を催すほど衝撃が強いので、よく考えてからお読み下さい。
  毎日かあさん
カニ母編
西原 理恵子 こういう絵は苦手だった。新聞連載でなければ読むことも無かったと思う。本が出たと聞いて、本屋で思わず立ち読みをしてしまい、ぐじゅぐじゅに泣きました。元亭主はアル中で、息子はオバカで、娘はうまくて。かあさんは、かあさんでよかった、と思うのです。
  上京ものがたり 西原 理恵子 女の子が東京に行って苦労して、やがて成功する、それだけの話じゃない。裏業界話でもない。せっかく引っ越しできてダメ男と別れられるのに、自分から引き入れてしまう弱さが、時が経って振り返り「ありがとうだったんだね」と呟く後ろ姿に変わる。連載うち切られて泣いてる子に「ひどいね。でもあんたがつまらないからだよ。くやしかったら・・・」と心で言えるようになったのは、彼女が逃げなかったからだろう。エピローグは幸せをお裾分けされる。
  ぼくんち 西原 理恵子 ぬるま湯に育った私にとっては「おったまげる」生活。過酷すぎるくらしの中にこそ本当の人間が見えてくるよう。生きていくってことがむずかしく思えてきたらここに戻ろう。ただ、出かける前はやめとこう。涙と鼻水でぐしょぐしょになる。
  A-A' 萩尾 望都 感情を持たないと言われる、一角獣種。それは、実は不器用なだけの人間のことでは?「共鳴」の美しさ、哀しさ。
  ポーの一族 萩尾 望都 衝撃的でした、こんなに美しい漫画は。しかも、儚かった。妹を想うエドガーも、短い命だったメリーベルも。シリーズの中では、「グレン・スミスの日記」が一番好きでした。
  トーマの心臓 萩尾 望都 高校生の頃、連載されていましたので、仲間内でトーマの心臓ごっこを毎週やってましたね。キリスト教の神の概念がわからず、どうしてあそこまでユーリが悩まなければならないか、不思議でした。でも、トーマの父親が語る「なぜ、人は一人では生きていけないのか」は今でも心に残っています。ユーリを待ち続けるオスカーは、この後どうなったのでしょう?「それが僕たちの始まりでもあり、別れでもある」
  スターレッド 萩尾 望都 なんと言っても、連載が始まったとき、かっこよさにしびれました。赤い星(火星)そのもののような少女、セイ。そして、星に閉じこめられたエルグの祈りが生命を生む。いのちの不思議さ。どす黒いアミの夢魔を消す方法はあるのか?
  ゴールデン・ライラック 萩尾 望都 人が生き続けるためには、らくだのこぶの水が必要です。でもそれは自分で探さなければならないもの。一緒に育った幼なじみの二人が、互いに想い合いながら別の道を選んだとき、その水はどこに見いだされたのでしょう。裏切りながらの結婚を赦す年上の男性の優しさは、泣けました。
  ウは宇宙のウ 萩尾 望都 レイ・ブラッドベリ原作を素晴らしい漫画に。「霧笛」は、恐ろしく、悲しかった。
  訪問者 萩尾 望都 「トーマの心臓」のオスカーの少年時代。たとえ、自分を愛してくれない父であっても、その支えとなり必要な存在となりたかった、オスカー。その願いは無惨に砕かれるのでしたが、凍った海の暗さとともに父親の心の闇も見えた気がします。
  半神 萩尾 望都 劇の原作ともなりました。設定の奇抜さに目を見張るとおもいますが、愛情と憎しみについての描き方はすごい。あなたは、わたしなのだ。
  銀の三角 萩尾 望都 時の渦の中で、一つの歌が歌われていく。タイム・パラドックスの中心にいたのは、「かわいそうなこども」と、ある歌い手だった。
  メッシュ 萩尾 望都 少し不器用な、少年。シリーズの中では、解放、苦手な人々が好きです。
  11人いる! 萩尾 望都 アニメになったこともありますが、あれは失敗でした。ミステリー仕立ての、SF.。
  この娘うります! 萩尾 望都 ちょっとぎこちないミュージカルになりました。
  アメリカン・パイ 萩尾 望都 萩尾さんの作品中では、1番好き。「あいつはいつも自分が死ぬことなんざ、忘れてるふりしてたけど、歌うときには、正面みてんです」「作った人も忘れられた歌がいつまでも歌われるように・・おまえの命が終わっても・・」人の心を救うものは何でしょう。飄々とした、醜男の主人公が優しい。
  ローマへの道 萩尾 望都 萩尾さんの中では、新しい作品。バレエものと言うことになるでしょうか。隠されていたローマの母のことを知ってから、マリオはローマの呪いに苦しめられる。逃げてもローマは追ってくる。愛を学べなかったマリオは、母と対することでなくしていたものを取り戻した。
  残酷な神が支配する 萩尾 望都 私は、この本が怖い。なかなか最終巻まで読めてないのも、そういう理由だ。読めば、鏡のように本当の自分の姿を見ることになる。目を背けないと、生きていけないほど醜い姿。装っていたものをはぎ取られて、私は立ちつくす。萩尾さんは、なんて作品にたどり着いたんだろう。
  バルバラ異界 萩尾 望都 とうとう手を出してしまった。「わけがわからん」漫画として有名になったこれに。確かにわからない。でも本を読むのに「わかる」ことがどれだけ必要なのだろう。私はこの人の作った世界に振り回され、眩暈を起こす。怖ろしくて美しい夢の中に捉えられ、生まれ変わる。
  サザエさん 長谷川 町子 初めてお小遣いで買った本でした。家族中で回し読みしたものです。
  いじわるばあさん 長谷川 町子 痛快だけど、時々ばあさんの孤独もかいま見えます。
  エプロンおばさん 長谷川 町子 どうして持っているのか、覚えがない。
  まんだら屋の良太 畑中 純 NHKでドラマになったときには、相当押さえてありました。原作は、ばんばんやってます。お子さま向けではありません。大人の男と女の、飾りを捨てた姿。
  超人ロック 聖 悠紀 古典的SFになりましたね。昔、貸本屋で借りた記憶のある数少ない本です。
  ぼくの地球を守って 日渡 早紀  友人から借りてはまり、すぐに全巻そろえました。取り返しのつかない過去というものは、あるのでしょうか。そのときには、死ぬことなく生まれ変わりましょうね。2つの孤独な魂は長い時を経て、いやされ、一つになりました。
GLOBAL GARDEN 日渡 早紀  この人の描くマンガは読後感が似ている。「大きなもの」を描きたいのでしょうね。物質的な大きさとかスケールのことではなくて。しかし説明不足なのか、こちらが感じ取れなかったのか、今度の話はテーマがでかすぎた。登場人物の感情はきちんと伝わっている気がするのに。
  ドラえもん 藤子 不二雄 子供をだしに自分が喜んで読んでます。やっぱり、面白い!子供はもちろん大好きです。
うしおととら 藤田 和日郎 友人が好きだと書いているのを見て興味を持ったのです。感謝してます、Mさん。読み始めたら止まりません。激しい闘いなのに、主人公達は泣きながら闘っているように思えます。もちろん読んでいる方も涙が止まらない。主人公の傍に女の子が二人いるのですが、最初のころから「真由子」の方が気になって仕方なかった。そして「泥なんて何だい」だ。貫く、すがすがしさ。その気持ちが少しはわかる事を誇りに思う。
  ぽっかぽか 深見 じゅん ドラマ化されたのを見て、初めて原作であるこれを読みました。読んで、笑って、泣きました。家族で、にこにこしながら暮らしていくことは、簡単そうで難しいです。貧乏や、自己犠牲や、子供のしつけや、年をとっていくことも、困難にしてしまうことはいっぱいあるけれど、一緒にいたいと思った最初の気持ちのまま、暮らしていけたらいいですね。
  寄席芸人伝 古谷 三敏 寄席用語を覚えてしまいました。淡々とした絵なのに、深く伝わるものがあります。
  大東京ビンボー生活マニュアル 前川 つかさ 貧乏は、工夫の宝庫。残ったビールを使ってぬかみそを作る、古新聞で窓を磨く、まだ貧乏がブームでない頃、読んでわくわくしました。
  ザ・コクピット 松本 零士 戦争物、というだけで毛嫌いすることなく、読んでみると、「男」にほれます。
  ガラスの仮面 美内 すずえ まだ未完。いつになったら完結するか?ついつい読んでしまう。絵自体は古典的すぎるが、ストーリーは飽きさせない。
  ベルセルク 三浦 建太郎 どう語りましょう。残酷さと、殺戮、恐怖ばかりがクローズアップされますが、逃げずに戦おうとする(生きるために、守るために)ガッツは、やはりヒーローなのです。でも、ほんとうにこれからハッピーエンドになるのかなあ。「どこか、此処でないどこかに連れて行って」「逃げた先にあるのは地獄だ、おまえはおまえの戦場で戦え」に励まされます。最新刊では、グリフィスがとうとう神々しく復活し、ガッツの苦難が予想されます。三浦さんの絵はますます美しくなってきました。
  はみだしっ子 三原 順 高校生の頃は、こういう難しいのが好きでした。4人の少年の間で交わされる、難解な言葉、心理。(つい最近になって、三原さんが亡くなられていたのを知りました。ご冥福をお祈りします。)
  樹魔・伝説 水樹 和佳 やわらかいイメージのある、水樹さんのSF.。「伝説」のラスト、遙かな時空を越えた恋人に送るメッセージは、暖かく希望に満ちたものでした。
  あぶさん 水島 新司 長く続いている、野球もの。飲んだくれの代打、あぶさんとそれを取り巻く人々。今はあぶさんの子供がそのライバルです。いつまで現役なんだ?球団がダイエーホークスになり、私としてはうれしい限り。
  孔雀風琴 宮谷 一彦 最近読んだ物ではありません。25年ほど前に発表された作品です。昨日、古いメモが出てきて題名がわかりました。この方の絵を見て圧倒されました。内容自体は既に忘れてしまっているのですが、この方の名前と絵は忘れようとしても出来ません。構想5年、取材10年等ということをされるので、なかなか新しい作品を読むことが出来ませんが、ネット配信を考えられているそうなので、期待しましょう。旧作の紙媒体は、オークションや古本界でも目が飛び出るほどの金額がついていますが、いくつかはeBookで読むことが出来ます。
  暗黒神話 諸星 大二郎 不思議な、不気味な絵。日本の伝奇伝説について詳しくなります。弟橘姫の首が落ちるシーンは、衝撃でした。
  妖怪ハンター 諸星 大二郎 日本の妖怪を紹介していくけれど、長髪黒服のハンター自体が、ちょっと怖いんだよね。土蜘蛛は怖かった〜。
  生物都市 諸星 大二郎 人も物も溶けていく、溶けていく。絵の迫力。
  日出処の天子 山岸 涼子 山岸さんの作品では、一番ポピュラー。厩戸の御子が超能力者であった、という設定。蘇我の蝦夷に対する感情。悲劇的によがんでいく、歴史上とはあまりに違うその姿。
  山岸 涼子 彼女の作品を読み出すのは、勇気がいる。全部持っていかれそうになるから。大学のサークルが合宿に訪れた東北の寺。出会った怪異現象を追う彼らは、怖ろしくて悲しい過去を見る。目を背けたくなっても、それは現実にあったのだ。縛めを解く鍵をあなたは見つけられますか?
  天才 柳沢教授の生活 山下 和美 教授という言葉のイメージにふさわしい彼だが、世間とは離れているからこそ、垣根なくつきあえる人々もいます。新しく始まった、教授が如何にして教育者となったか、青春編も楽しいです。
  しんきらり やまだ 紫 2人の子供を持つ主婦、いつの間にか日常の中で離れていく夫との関係。普通であることの難しさ、自由の意味。主婦よ、家族を抱えつつ自由に生きよう。
  BLUE SKY やまだ 紫 子供を抱える女が年下の男性と真剣に恋をしたら・・揺れ動く心、子供との関係、親戚、世間、すべて乗り越えて行くのです。
  ぼくたちの疾走 山本 おさむ はじめの頃は、楽しい学生生活の描写。途中同級生の少女の自殺に関わるうち、トーンが変わります。その朝、雪かきをする主人公の独白は、胸に詰まります。自主製作映画のグループに加わり、彼女との間の子供を堕胎するか悩み・・・青春は苦しく素晴らしいものなのです。
  わが指のオーケストラ 山本 おさむ 上の作品で初めて知った山本さんは、この方にふさわしい漫画を描くようになっていました。この人らしい堅い絵と、字の多さ。でも、引き込まれてしまいます。 聴覚障害者のこどもたちに、手話を通して心に音楽を呼び起こしたいと願った青年の実話です。
  どんぐりの家 山本 おさむ この話は「圭子ちゃん」という、ろう重複障害を持って生まれた子を中心として始まる。周りの人々の冷たい目や無関心な目に傷つき、将来に絶望し、親であることから逃げ出したいと願ったこと。けれど「圭子ちゃん」は生きているんだ、せいいっぱい生きたいと全身であらわす。背負っていけないほどの重い荷物を持っているのは、私たちの方なのだと、教えてくれる。
子供たちは、なんて美しいのだろう。夕焼けを見せようと石を持つ「清君」も、ジャングルジムでお月様が大きいよと両手を伸ばす「圭子ちゃん」も。
一緒に生きる事を望んだ親たちが直面する「学校を卒業したら、どうなるんだ?」の問題。途方もない金額を集めないと「共同作業所」は、開設できない。少しずつ、少しずつ。たくさんの人たちへ「ありがとう」を渡しながら、みんなの家は大きくなり、「生きててよかった」とみんなが思うようになってくれる。
この漫画はアニメ映画化されました。ただ、独自の上映方法をとられたので、一般の映画館では見ることができません。現在、ビデオ販売されています。兵庫県映画センターで、取り扱っているようです。
  プラネテス 幸村 誠 全天の星空を見たことがあるだろうか?初めてたった独りでその下に立った時、私が感じたのは「美しさ」ではなく、「恐怖」だった。自分がどれだけ小さいか思い知らされて、生命の誕生なんて一瞬でしかない時間と距離を感じて、恐怖した。舞台は宇宙、今より少しだけ未来。4巻に出てくるフィー主体の話が、特に好きだ。遙か木星から届くハチマキの声が響いている。
  金魚屋古書店 芳崎せいむ 古本屋が好きだ。それも、流行りの全国チェーンでない街角の、いつ客が来てるんだろうか、経営は大丈夫か、といった感じの古本屋が。そういう店には頑固そうな爺ちゃんが、埋もれそうな本の中で棲息している。舞台は、漫画専門の伝説的古書店だ。今更言わなくてもわかるが、私は漫画が好きだ。「学生が漫画を読んでるとはけしからん」やら「私の描いた漫画は、こうやって父親にびりびりと破られた」という学祭の展示やら、いろんな物を詰め込んで身近にあり続けた。同世代以降の人々にとって、それは共通の想いを喚起する物だ。やがて手元を去っていったとしても、こうやって再び会えるのなら何という幸せな事だろう。ところで、この本に出てくるのは実在の漫画ばかり。読みたくなること間違いない。どっかで「BLUEBERRY」手に入らないかな?
  カリフォルニア物語 吉田 秋生 ニューヨークでの青春群像、カリフォルニアの家族との消えない過去、主人公は造形的にかっこよかった。
  夢みる頃をすぎても 吉田 秋生 初めて彼の部屋に泊まった朝のことを友達に語る少女の話はとても初々しくて、そうそう、こんなこともあったっけ、と思い出しました。少女ではなくなるけれど、代わりに手に入れていくものもあります。
  河よりも長くゆるやかに 吉田 秋生 現代の等身大の少年。彼女との関係も、別れてすむ父親のこと、水商売をして支えてくれる姉も、かっこよく流してしまわず、ゆるやかにかかわっていきます。
  ラヴァーズ・キス 吉田 秋生 ずいぶん久しぶりに、この人の漫画を読んだ。相変わらず描線が細いし「セクシーでカッコイイ」男と女を描くなぁ。関西人と眼鏡の少年との微妙な掛け合いが笑える。誰かに惚れてしまう時って、こんな風に「出会ってしまった」と感じるもんだな。いろんなカップルのキスシーン場面は性別にかかわらず、どれもやさしく見えた。こんな風に描く人だったっけ?
  風の谷のナウシカ 宮崎 駿 アニメの人として有名だけど、この漫画もよかった。アニメの背景がよくわかります。
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