Uちゃんの冒険 2003/08/05UP

「第16夜」
「川の不思議」

 お昼を過ぎると、空はぼんやりと曇ってきました。
ほんわりと暖かくて、お昼寝したいような気分で、
みんなは、あまりしゃべらずに歩きました。
川は見えていたので、すぐに着くと思えましたのに、
歩いてみると、ずいぶんかかりました。

 水の音さえ聞こえないほど、ゆっくりと流れる川でした。
湯気のような白い煙は出ていません。Uちゃんは、ほっとしました。
まだ、熱いかもしれないと思っていたのです。

 みんなは、川岸で足を浸したりして遊びました。
水を飲もうとしていたアザラシ君が、
「塩辛いよ!」
と叫んだので、びっくりしてみんなが寄ってきました。
「この川、海から流れて来てる!」
「えっ、何で!」
「そんなことわからない。でも、海の味だよ。」
「二番目の不思議だ。」

 いったい、いくつの不思議があるのでしょうか?
Uちゃんたちは川の横を歩いて「不思議な湖」に着きました。
でも、真ん中にある白い煙のせいで、岸の近くしか見えません。

「どうやって行こう?」

 岸辺を歩いていたカバさんは、
湖の中から、一本のひもが出ているのに気がつきました
そのひもは、岸に生えていた樹に結ばれています。
「この先には何があるんだ?」
カバさんは、ひもを口でくわえてよいしょ、と引っ張りました。
すると・・・