Uちゃんの冒険 2003/08/05UP

「第3夜」
「どっちのおにぎり?」

 「この枝?」
Uちゃんが持ち上げると、
「きゃ〜!なにするんだよ〜!」
「また誰かいる!」

 枝の先に小さなイモ虫がつかまってぶら下がっていました。
「食事中に何をするんだい。」
「葉っぱより、もっとおいしいものあげるよ。」
「それ何?」
「お母さんが作ってくれたおにぎりだよ。梅干しとおかか、どっちにする?」
「へぇ〜、おにぎりか。梅干しにしよう。」
イモ虫さんは、おにぎりに登って食べました。
「おいしい。」
「まだまだたくさんあるから、一緒に冒険しない?」
「いいよ。」
こうして、イモ虫さんが2番目の仲間になりました。
アリさんとイモ虫さんは、初めUちゃんの肩に乗っていましたが、
リュックに入っていく方がらくちんなのに気がついて、そうする事にしました。

 山はだんだん険しくなり、杖がとても役に立ちました。
初めの山が低くなると、次にもっと大きい山が見えてきました。
Uちゃんは、こんなに遠い所まではお父さんだって来た事ないだろうなと思うと、嬉しくってワクワクして、もう駆けだしていきたいようでした。
高い山です。少しずつ登っていきました。途中で、小さな川を見つけました。水筒は持ってこなかったので、みんなで水を飲みに川辺に降りました。

「冷た〜い。」
「ねぇ、そろそろおなか空かない?」
「もう食べるの?」